こんにちは。
12月2、3日の両日に28年間に渡った鬼平犯科帳が幕を閉じました。
民放テレビ時代劇は誰にでも判るように作っている単純なモノと決めつけていた私には、
それを覆すに十分過ぎるかなり衝撃的な作品でした。
私も池波正太郎の人間観察の深さに虜になった一人でした。
一般的に通用している普通の道徳観や思慮深さを超越した「深さ」。
この深さに多くの人々が心酔したのでしょう。
人間国宝の中村吉右衛門を筆頭に自分の役に魂を込めていたような出演者達の演技。
何ともやり切れないような切ない結末、ストーンと奈落の底に落とされたような、
思わず唸ってしまう「人間」の捉え方・・・。
随所が池波ワールドの全150作品を全て観ました。
「原作に無いものはやってくれるな」との池波正太郎の遺言を守りながらも、
多分終わるのが余りにも惜しかったのでしょう、
違う作品と作品を掛け合わせて苦慮しながら作った、
もしかしたら池波正太郎に怒られるかもしれない作品も幾つかありました。
ファンには何であろうと有難いこと。
そのように原作が無くなったことと、何より中村吉右衛門の年齢
(この作品に心酔した人々は中村吉右衛門以外では納得しない)でしょう。
最新作2本は無理があり過ぎた。声、喋り方、何よりも動き。
「お爺さん」を感じてしまい、痛々しかった・・・。
にも関わらずの奮闘。大変お疲れ様でした。
この作品に魅了される年齢であったことに感謝。
この作品に出逢えた時代に生きていたことに感謝。
本当に心からそう思える「中村吉右衛門・鬼平犯科帳」でした。
家庭教師のコーソー 学習アドバイザー 落合 信行